Vol.27 オイル交換 1999-07-07

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 3500kmぶりにオイル交換をした。
 前回エンジン内部のパーツを相当数新しいものに換えて、約1000キロほどで一度オイル交換をしており、その際にフィルターも交換しているので、出てきたオイルは全然ヘタっていない。熱間の粘度も保持されている。
 エンジンオイル添加剤を実験的に入れておいたことも、かなり有効に効いていたようで、廃油の状態は著しい劣化は無かった。
 年間でも使用状況が厳しい、梅雨の時期をはさんでいる結露しやすい状況下で、この結果は、かなり良い。

FZR:「オイル、それほど悪くはなかったみたいですね」
狸穴:「ちょっともったいなかったかな、でも交換サイクル
   ってものもある」
FZR:「オイルを入れ替えて一番影響が出たのは、クラッチ
   の繋がり方です」
狸穴:「微妙なタイムラグが無くなったねぇ」
FZR:「繋がり切る寸前のショックが無くなりました」
狸穴:「ファイナルのギア比を高くしていたから、余計に大
   きく発生していたショックが、ノーマルのギア比と
   同じくらいの感じになって来た」
FZR:「他はあまり変わりませんね」
狸穴:「水温の変化がどうなるか、多分水温が下がると思う
   よ」
FZR:「オイルが新しくなっただけで?」
狸穴:「このエンジンは結構オイルで冷えているから、オイ
   ルが熱を回すようになると水温が下がる」
FZR:「あ、クランクケースの合わせ面からオイルが滲み出
   してます。大丈夫でしょうか」
狸穴:「1番シリンダーの下だろ? すぐには問題無いよ」
FZR:「なんで漏れ始めたのですか?」
狸穴:「合わせ面に塗っておいた液状ガスケットに隙間が出
   来ていたかな」
FZR:「止めないんですか?」
狸穴:「滲んでいる程度だからたまに拭けば大丈夫だ」
FZR:「う〜ん」
狸穴:「気になる?」
FZR:「はい」
狸穴:「またエンジン降ろして、ケース開ける事になるから
   大変だよ」
FZR:「……我慢します。でも出て来る量が増えたらすぐに
   直して下さいね」
狸穴:「へい」

 左の前側はどうもケースが狂っているようで、以前からオイルが出やすくなっていたらしく、うちに来る前から漏れていた形跡があった。
 今回再度漏れた訳で、次回はケース自体を少し削り、精度を出すしかなさそうだ。
 この形式のエンジンには珍しい事なので、この個体だけに起こっている事だろう。

 オイルを換えてから都内の渋滞にハマってみると、水温計の針で1.5本分水温が下がっていた。
 ラジエターファンの作動する回数もかなり減ったようだ。
 オイルに依存する事の多い250/IL4エンジンでは、温度変化が顕著に出る。
 シンセティック系のエンジンオイルは、高回転型のエンジンには向いているようで、軸受けが多いエンジンでは熱の発生も抑えられる。
 1気筒あたりの出力が小さいので、細かい所で少しづつロスを減らして行かないと、パワーや燃費に繋がらない。
 金属表面に付着した添加剤も、オイル交換程度じゃ落ちなかったらしく、機能しているのでエンジン音にはべつだん変化はない。

 今回のオイル交換ではあまり変わった事はなかったが、オイルの種類が変わればそれなりにいろいろな事があったりするのだろう。
 純正のオイルしか使ったことがない人や、とにかく安いオイルを使う代わりに回転上限を抑えて走る人とか、交換サイクルが長い人、粘度が少しでも落ちたような時には3000キロ/半年経っていなくても交換してしまう人、千差万別である。

狸穴:「エンジンオイル全然換えない人もいたなぁ」
FZR:「そのまま、ですか?」
狸穴:「オートバイも家電品と同じように勘違いしていた人
   で、SRX250を買ってくれたのだが、初回点検
   で換えただけで20000キロになるまで換えてな
   かった」
FZR:「……どんな廃油でした?」
狸穴:「炭みたいに黒くなって、匂いも炭に通じるものがあ
   ったなぁ。量も半分以下に減っていた」
FZR:「大変な状態ですね……」
狸穴:「もっと大変な事もあるよ」
FZR:「サラダオイルで走ってたとかですか?」
狸穴:「さすがにサラダオイルはいなかったけれど、純正と
   いう事でオートバイ屋さんと相談した結果、2サイ
   クルの燃焼用オイルを4サイクルのエンジンオイル
   として入れられて、富山から東京まで走って来たF
   Z400R(46X)がいた」
FZR:「良く持ちましたねぇ……」
狸穴:「長野のあたりだと気温が低いから良かったのだろう
   けれど、都内の渋滞に入ったら急にストールするよ
   うになって『変だ』という事で持って来た」
FZR:「エンジンは無事だったんですか」
狸穴:「距離は走っていたけれど、上まで回さなかったから
   なにも問題無かったよ」
FZR:「結構、丈夫なんですね」
狸穴:「2サイクル用じゃ、さすがに熱が抜けなくて油温も
   上がっていてヤバかった、量も半分くらいに減って
   いた。燃えたんじゃない?」
FZR:「ひどいですね」
狸穴:「風間さんのGXもはじめはオイル無しで走って来た
   もんね〜。ドレン開けても3滴くらいしかコールタ
   ールが出て来なかった。」
FZR:「……修羅場だわ」
狸穴:「オーバーレブさせても同じだ」

 エンジンオイルというと消耗品の最たるもので、結局ランニングコストが掛かるという事を嫌われる以上、先送りにされがちな部分なのでした。
 でも一番大事なパーツだったりします。

 オイルをヘタらせたままでも、今のエンジンはなにも問題無く動いてしまうのですが、実はそうしている間にエンジンは、異常磨耗の温床を自分で作ってしまい、後にオイル交換をして『さて回そう!』と回した瞬間にブローするなんて事がたまにあります。
 こうなってしまうと、もう直しても意味が無いほど破壊してしまい、オートバイや自動車を買い直す羽目になるのでした。
 こういう壊れ方をする場合、えてして、その兆候は現れ難く、なぜ自分のエンジンが壊れたか判らなくて、結局メーカーに噛み付いたりする人もいるのですが、メーカーも大体判っているので、壊れた部品をすぐに調べて『使い方が悪い』と連絡致します。
 車検が1年半残っていようが、保証期間だろうが、もうダメです。
 が、なにがなんでもそのオートバイにまた乗りたい人だったりすると……
 エンジンを再生しなきゃならないんですねぇ……。
 持ち込まれたお店では、大変な事となります。
 コンロッドが折れて足を突き出したクランクケースを再生……。
 捩じれも修正し、強度が落ちているところを探り出しながらの作業となります。
 えてして、こういうお仕事を持ち込まれるお客さんの中には、
『2週間しか時間はない! 次のツーリングが控えているのでな。判っているだろうな!!』
となるのでした。
 事のついでに、400ccから550cc等に変更しろとのたまう。

FZR:「修理屋さんって大変なんですね」
狸穴:「マトモにやっちゃうとね」
FZR:「適当じゃ困りますし……」
狸穴:「時間掛かっても自分でやるのが一番なのじゃー」
FZR:「でも出来ないときは?」
狸穴:「信頼できる修理屋さんを自分で育てる!」
FZR:「ゲームみたいですね」
狸穴:「育成に失敗すると……オートバイにスクリューがつ
   いたり、ボンネットの上に銃座が付いたりするのか…
   …」
FZR:「マスター、ちゃんと完成してます?」
狸穴:「判らん」
FZR:「……」
狸穴:「……」

 夏の前にオイル交換をしておこう! ワハハ。

マミアナ+FZR

 オイルのお話をしようかと思ったけれど、1000Lを越えるかもしれない。体力続かなそうなので、またいつか。

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Copyright © Taro Mamiana, COMBINED ARMS 1999-2005.
初出 KGB-NET 1999.