Vol.19 ユニットが来た 1999-05-21

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FZR:「わたくしは、マミアナ様の専用マシンにカスタマイ
    ズされているのですか?」
狸穴:「へ? 何だ薮から棒に……それもある」
FZR:「今使っている回路は、誰にでも乗りやすい状態で、
    安全マージンがたくさんありますが、それを削るん
    ですか?」
狸穴:「いや、削る訳じゃない。ギア比を上げたりしてスタ
    ート時などクラッチに負担を掛けないよう、エンジ
    ンを止めないように、扱いは慎重さを要求するよう
    になって来ているが、その分今度の回路で補正でき
    るようになってる」
FZR:「でも、初心者には乗りにくいセッティングになって
    いるような気がします」
狸穴:「新しい乙女回路(点火コンピュータ)と、妄想しにくいE
    XUPに変えてみれば判るよ」
FZR:「でもそれは、私じゃなくなるんじゃないでしょうか?」
狸穴:「それがそうでもないんだな。デフォルトのデータも
    全て移植してある」
FZR:「オリジナルの私も残してあるんですね」
狸穴:「ああ。いずれ音声でモード切り替えできるように
    するが、3種類のプログラムを用意している」
FZR:「新しい回路に入っても、オリジナルはデフォルトな
    んですね?」
狸穴:「点火時期に関してはね」
FZR:「EXUPの方はVer.UPと受け取ってよろしい
    のでしょうか?」
狸穴:「んだ」

 この時点ではテスト走行していないので、なんともいえないのだが……低回転重視・超高回転重視のセッティングが入っている。
 インジェクターがあれば、燃費をアクティブに制御できるが、あきらめた。
 画面上で見るシュミレーションでは、一応良くなるような感じ〜。
 走行稼動中に切り替える所まで、うまく行っていないので走行前にモードを選択したキリになる。
 新しいEXUPの制御ボードは、不要になった大型空調設備のマイコンを元に造った。
 あまった回路と入力端子がまだいくつかある。一部モデムのような回路も入っているらしい。
 まだ3種のプログラムと、それに対応してる新しいEXUPのプログラムが入っているに過ぎない。
 それぞれのモードをまずはテストするしかない。
 昨日届いたユニットを今日はこれから搭載してみる。
 ますは、デフォルトのデータと新しいEXUP/Bでテスト。
 EXUPサーボモーターのギア比の変更は考慮していないが、先読みするEXUPが回転の上下動について来れば、かなり楽になるはずだ。
 車体への配線はオリジナルのソケットに合わせて移植。秋葉原で売ってた安物。
 これでほんとに電磁波の影響は大丈夫かな?
 ソケットをつなぎ直して電源を入れる……。
 燃料ポンプがしばらく鳴り、EXUPのセルフ・クリーニング音がして用意終了。デフォルトと同じ。
 セルを回してみると、あっけなく掛かった。
 アイドル回転音が普段より若干上がっている。
 アイドルを落としても、かなり下まで安定して回転している。上死点前8〜10度といった感じかな?
 回転を下げ過ぎて不安定になり、止まりそうになると、エンジンを止めないように極低回転でもEXUPが細かく動いてたまに補正している。
 さすが、制御屋……。
 スロットルを少し開けてみる。エンジン様は楽に付ついて来る。
 EXUPの動きも前より速くなっている。排気音は3000rpmに上がる前から強くなる。
 前にはなかった設定だ。
 EXUPが一瞬少しだけ開くようだ。
 走る前に10000rpmまで空ぶかしをして、一応そこまでは回転が上がることを確認。
 それ以上は実際に走らせてからだ。

狸穴:「んじゃ行くよ」
FZR:「はい」

 走り出して、タコメータが始まる3000rpm以下でも、しっかりトルクが出ている。
 各ギアで6000rpmまで引っ張ってみる。スロットルは回転に合わせて開けた。
 問題ない。
 排気管の途中についているEXUPをうまく合わせているようで、管内流速はそれほど高くはなってないらしいが、ヒュンヒュンいう音は少し減った。
 エンジンブレーキを掛け3速まで順次落として、3000rpmに落ちた時に、そこから一機にスロットルを開放。
 一瞬の躊躇もなく、ノッキングもなく回転は上昇。
 スロットルを開放していると、以前より排気音が低くて太い。
 頚部で感じる加速度も上がっている感じ。
 6000rpmでパーシャルに戻す。落ち着いている。5800rpmで一度EXUPを絞って、6200rpmを境に大きくEXUPが開き始めるようで、そこから排気音は一気に太くなる。
 4速を使ってアクセルを合わせながら12000rpmまで上げる。
 回転上昇と共に何度かEXUPを絞める時もあるようだが、問題なく上がって行く。
 急減速と急加速を各回転域で思いきりラフに扱ってみる。
 4500rpm〜12000rpmまではどう使っても問題ない。
 妄想回路(EXUP機構)のEXUPバルブ反応速度に、引っ掛かりがあったところが全部直っている。
 デフォルト点火+EXUP/Bは問題ないようだ。
 コーナリング時等のスロットルワークも楽になりそう。

狸穴:「どうだ?」
FZR:「不思議ですねぇ。点火時期は変わっていないようで
    すけど、回転を上げるのが楽になりました。下げる
    方も少し強くなっているようです」
狸穴:「点火はデフォで、EXUPの妄想を補正して、反応
    を少しだけ速くして作動量をふやした」
FZR:「それだけですか?」
狸穴:「そうらしい」

 高回転用の設定の場合、クランク軸の位置を見ているローター・プレートを造って換えなければならない。
 一応プログラムは入っているが、まだ使ってはいけないとのこと。
 14000rpm以上を常用する高回転用の設定では、消音部の容量も足りない。
 これについてはまた別に対策するか……。
 でも、当分の間は今回の設定だけでいいのだ。
 いずれ、新しいローターに合わせて全てのプログラムを再設定する事になるが、基本的には今の状態がメインになるような気がする。

狸穴:「あとはキャブに増設した、新しい通路と既存の通路
    のバランスを取り直さなければ。今のままでは、ま
    だ濃いような気がする」
FZR:「中古でもいいから、キャブASSYがいくつかある
    と楽ですね」
狸穴:「うん」
FZR:「FZRも私の後に、2種類以上のキャブの口径が用
    意されてます。基本的に違うキャブのようです」
狸穴:「そうなんだよな、でも全部まともにやってたら、メ
    ーカーの開発受け負いしてるみたいだ」
FZR:「マスターは変わってますね。このユニット気に入れ
    ました。ありがとうございます」

 カムシャフトやピストン、燃焼室形状をいじっている訳ではないので超高回転型エンジンといえど、そう簡単に壊れる訳ではない。
 吸気・排気を少しだけ変更したに過ぎないのだ。

 12000rpm以上はまた次回。
 これからフィルム仕入れにいかないと……お仕事お仕事。
 今回のお仕事のついでに、若い美容士さんのバリカン勉強と云う事で坊主になってしまった。モウセンゴケみたい。

蒙線マミアナ+新生FZR

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Copyright © Taro Mamiana, COMBINED ARMS 1999-2005.
初出 KGB-NET 1999.