Vol.17 いい仕事してますね〜さすが 1999-05-18

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 なんだかものすごい塊感のあるオートバイが、ガオガオしながら後方より急迫。
 ミラーに映る真っ赤な車体が、でかい音で急っ突いて来るので、即時道を譲る。
 NRだった。
 NRを公道上で見るのは3回目だ。
 いずれのオーナーもそれなりに上手に乗っている。さすがに速い。

FZR:「マスター、ダメですよ。路面はドライだし勝負にな
   りません」
狸穴:「ウ〜ん、NRの減速時の挙動が見たい!」
FZR:「……見ても意味がないような気がしますわ」
狸穴:「ちょっとだけ」

 甲州街道上り線から内堀外回りへ入るTokyo−FMのT字路でなんとか追い付いた。
 ブレーキランプはついていたが……フロントも沈んでなかったし、リアも何事もなく減速して曲がって行ってしまった。
 曲がっている時間も非常に短い。
 ゆったりと曲がっているように見えて、実はかなり速いペースで曲がっていたようだ。
 同じ速度で進入してゆくと、あのラインは踏めない……。
 ホイールのサイズも違うからロール軸も違う。フレーム強度はなお違う。
 FZRのサスは前後とも最大限の仕事をしている。
 途中でリアが流れ始めてしまったので、そのまま流して一気にコーナリング時間を短縮する事にした。
 リアのグリップが回復する瞬間、リアショック、アーム共に限界な感じ。
 エンジン出力が小さいので、半クラッチでタイミングを合わせて着地。

狸穴:「速かったねぇ……」
FZR:「安定してましたね」
狸穴:「乗った事もじっくり見た事もないけれど、あのFサ
    スすごかった」
FZR:「短いストロークの範囲で、全部の仕事してたようで
    した」
狸穴:「全くそのとおり」
FZR:「私のFサスだと、あの短いコーナリング時間に対応
    できません」
狸穴:「そりゃ、当り前だ……あらかじめ予測してサスの沈
    む深さを想定していたから出来たけれど、毎回は出
    来ないな」
FZR:「路面がフラットならば、大きなコーナリングフォー
    スを受け止められますが、公道ではそこまで反応速
    度は上がりません」
狸穴:「車体に関しては、まだなにも変更してないからなぁ」
FZR:「でも、稼動部分を全て分解清掃して交換して頂いて
    いたので、今の再グリップに間に合いましたわ」
狸穴:「そうだよなぁ……危なかったねぇ」
FZR:「では、まだNRが前にいますので追います!!」

 直線では、NRが流れに乗っているだけなので、また追い付く。
 ライダーの頭を見ていると結構振動を伝える車体のようだ。もっと速度が上がればちょうど良いのだろう。設定スピードは一体どのくらいなのかなぁ?
 車体も小さいし、全く同じサイズでもっと量産すればいいのに。
 BROS650かVFR750のエンジンでも積めば安く上がるだろう。
 あのサイズと感じが100万円くらいで買えるならば安いものだ。
 カウルの形状も良い。
 排気はノーマルなのかなぁ? 結構な大音響だけれど……。
 信号で止まったついでにオーナーに話掛けてみる。

狸 穴 :「カッコいいですね」
オーナ−:「あ、どうも。そうでもないですよ、気をつかち
      ゃって!」
狸 穴 :「後ろから見ていて、切り返しの早さに驚きました」
オーナ−:「乗っている人間の方が付いてゆけない。わはは」
狸 穴 :「んじゃ、また」
オーナ−:「では!」

 すごい勢いで全開加速を2速まで見せてくれた。
 回転が上がるほど、硬質な音に変わってゆく。

狸穴:「なんか、すんごい音してたなぁ」
FZR:「エンジンが裏返っちゃったみたいな音でしたね」
狸穴:「個体化した音だった。久しぶりだなぁ、あんな音聴
    いたの」
FZR:「わたくしのエンジンも全開で回っていましたが、全
    く違う感じですね」
狸穴:「びっくりした」
FZR:「ホンダの塊みたいなマシンでしたね」
狸穴:「まったくだ」

 最終減速比をかなり大幅に変更してみた。
 太古の昔、サス無しモンキーを4速クラッチ付き・88cc化した時よりは激しくないが、今回はFZRでリアスプロケットを55丁から5丁落とした。
 少しだけスタート時のクラッチワークに気を使うようになったが、今までの6速が5速で出るようになった。
 EXUPの効果で実現したようなものだ。EXUPが無ければとても走れない。
 エンジンブレーキの掛かり方もかなりおとなしくなったが、ちょうど良い程度。
 結果としては悪くはない。
 最高速付近では、もしかしたら6速より5速の方が高いスピードを出す事ができるようになるかもしれないが、まだやってみた事ないので判らない。
 もっともフワワkm/h以上の最高速度を要求すると、高くつくのでこの辺で満足した方がフレームのためでもあるし、 6速の使用率が異常に高かった分、特定ギアの消耗が激しいよりも5速4速が使えるようになった事が結果としては良かった。

FZR:「マスター、なんだかソールの高い靴をはいたみたい
    で視界が変わった感じがします。車体にとってもエ
    ンジンブレーキで引っ張られる力が弱くなったので、
    楽になりました」
狸穴:「でも、バックトルク自体は強くなっているから、ク
    ラッチハウジングやミッション関係には気を遣わな
    いと。あまり派手なエンジンブレーキを低いギアで
    は掛けられないぜ」

 チェーンテンショナーを限界まで引っ張っているのだが、その分リアのアクスルが30ミリほど後ろに下がっただけで、リアアームが思いっきりたわんでいるのをより感じるようになった。
 早くリアアームを強化してしまわないと……。
 アーム自体が延びる事によって、走行安定性は上がっている。その分、極小さなターンは逆に厳しくなるかもしれない。
 それよりも、チェーンテンショナーを目いっぱい後ろに引いたが、さすがに5丁分の引きはなかったらしくチェーンが思いきり遊んでる。
 コマつめして合わせなければ……といっても2コマほど切ればいい。
 ジョイントを買いに行って来るか……。
 あっしの場合、ギア比が低いと云う事は『飽きる』に直結しているらしい。
 燃費も少し良くなるかなぁ? 逆に悪くなったりして。
 もっとも、車と違ってオートバイの燃費は悪くても良くて、もどうでもよいのだ。
 ただ、タンク容量が小さいので良くなると少し嬉しい。

マミアナ+FZRとNRのオーナー

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Copyright © Taro Mamiana, COMBINED ARMS 1999-2005.
初出 KGB-NET 1999.