Vol.15 進化できるのかなぁ? 1999-05-11

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 メーカから点火時期のデータを入手。
 といっても、当時販売店向けに出ていた販売促進ツールの内容そのままの荒っぽいデータだが、それでもなんとなく判って来る。
 一応低回転〜高回転域まで動いているらしいが、超高回転域でついて来ないのはやむを得ないのかなぁ? な感じ。
 この次に出て来たFZR250R(編註:三型のことと思われる)あたりから、吸・排気とも形状が変わり、キャブは口径まで上がっているし排気も一新されている。詳細は調査中。
 カム・燃焼室形状などは違っていない。
 当時、実際にFZR250RRに乗ってみたら、更に高回転・高出力化が進んでいた。
 カウルの形状も変わり、ヌヤワkm/h巡航くらいの高速走行がとても楽だったのを覚えている。

 更にあとに出て来たZEALに至っては、カムも違う。中速狙いの基本設計になって来ている。排気も右2本出しとなりマフラー容積を稼いでいる。
 排気音を低音域に演出とか当時云っていたが……狙いは他にあったのだ。
 メーカは、このエンジンを上手に使い回して商売していたのだ。
 ってことは、まだまだどうにでもなる余地はたくさん残っているということか?

FZR:「マスター、点火時期は私のタイプが、一番使い易い
    みたいですね」
狸穴:「ああ、街乗りがほとんどだし、上の方だけ書き換え
    ておけば全部使えるのか?」
FZR:「書き換えた後、MJあたりのジェットでキャブを合わ
    せてゆけば、高速方向の対応能力も上がりそうです」
狸穴:「水温計もついているし、やってみるか?」
FZR:「点火系はトランジット・スイッチみたいな状態です
    から、全部入れ替えて、いくつかのパターンを選択
    できるように出来るといいですね」
狸穴:「単純計算で、秒間300回の点火について来れるモ
    ノか……それを数パターン」
FZR:「いかがでしょうか?」
狸穴:「心当たりがあるからなんとかなるカモ」

 

 10年前と比べて、今はこの手の回路の計算速度は飛躍的に速くなっている。
 ありがたいことだ。
 1気筒あたりが小さいので、火炎伝播速度が許す範囲で制御できる限界まで回転を上げられる。
 通常燃料(ガソリン)では21000rpmあたりが限界か?
 容量が小さいから、低回転時に多重点火しなくても助かる。
 厄介なのは妄想回路(EXUP)と、この乙女回路(点火コンピュータ)とカムのタイミングと、キャブの設定を同時に各回転域で組み合わせなきゃならないことだ。
 更に新しく判ったサイレンサーの排圧設定……。
 ……18000rpmはたしかにものすごい事になっている。
 日本のオートバイメーカは何を考えていたんだろうか?
 エンジン消耗も、たえず超高回転域を使用していたら20000km位が初めの限界になりそうだ。
 そのかわり、普段の使用が5000rpm〜13000rpm程度、一定ならば50000km位はほぼエンジン内はノーメンテで行ける事になる。
 ロスを減らしてギア比を上げれば、更にその数字は確定して来る。
 オイルの素材と硬さを変えて量を2/3程度まで減らし、交換サイクルを早めるのも手だ。
 1次駆動系の軸受B/Gも高精度の物に換え、クラッチ枚数を落としハウジングの肉抜き、バランス取り……車体の軽量化&空力特性の追求。
 空力で思い出したが……妙なところからアプリリアの塗装ミスしたカウル一式のオファーが来ている。いいカモ。
 まあ、ここまではちょっとやり過ぎだけれど、考えるだけなら罪はない。

 しかし、何でFZR250にここまで手を入れるかねェ……。
 今までオートバイは便利な道具or商品、お仕事or体の一部、てなモノとして扱って来たのだが、ここにこうやって面白おかしく読んでもらおうと思い書くようになって、人格のようなものを与えて会話出すと珍妙な事となる。
 この先、音声入力や制御をさせる予定なのだが……そうなるとどこまで凝る事になるのか? ほとんど『変態技』に近いものがある。
 FZRもどこかのGXよろしく、夢と希望となんだか訳の判らないものを積んで、頭の中を走り回る様になるのかなぁ……?

FZR:「マミアナ様は何で私に乗るようになったんですか?」
狸穴:「あずかり1号のSRが合わなくて、なにも乗る物が
    なくなったから。中尉が新型を入れたのでで引き受
    けた。始めは適当に直して次のバイクの下取りにで
    もしようと思ってた」
FZR:「えー! そうなんですか……?」
狸穴:「ああ」
FZR:「ショックですぅ」
狸穴:「でも、初めの頃『用心石』(編註:某所で地権主張のた
    めに貸し出していた)
になってて、長期間仮死状態だっ
   たんだぜ」
FZR:「……たしかに」
狸穴:「工場出荷以来、今が一番調子いいんじゃない?」
FZR:「はい」
狸穴:「こりゃ、何だろう? 愛情かなぁ、わはは」
FZR:「真に受けますよ、参ったわ」
狸穴:「まだそれらしい感情が残ってたのかもね」
FZR:「……」
狸穴:「まぁ、そのためには信頼関係が必要になるんだろう
    けれど、俺は自分の事も信用してないからなぁ」
FZR:「944ターボも、マスターのそのへんは判らないっ
    ていってました」
狸穴:「何するか判らない方が面白いでしょ? 俺も判って
    ないぜ!」
FZR:「じゃあ、人間の女の子とはどうなんですか?」
狸穴:「広く浅く。美人だろうがSEXがうまかろうが付き
    合い始めたらその時点で飽きが始まるから、面白か
    ったり不思議だったりするのが良いな」
FZR:「ふーん。腐らない努力がいるんですね」
狸穴:「そそ」
FZR:「わたくしはこれといって、取り柄はないし特徴とい
    えば、高回転まで回るくらい。荷物も持てないわ」
狸穴:「欲張ったってしょうがないさ。十分に不思議」
FZR:「マスターは最近、オートバイや車と話すし……複雑
    なんですね」
狸穴:「へ? 単純だよ。寅さんと木枯し紋次郎をたして2
    で割って、朝丘ルリ子のリリーさんが好きなだけの
    渡世人でやんす」
FZR:「と、言われても古くてぜんぜん判りませぬわ」

 エンジンコントロールユニット−−乙女回路(点火コンピュータ)+妄想回路(EXUP)−−を取り外し、パッケ−ジを力技で開けてみると、なんと前時代なマイコン様じゃ……。
 これって、8ビット以下!?
 FZR250のこのブラックボックスは、ヒートシンクの関係か樹脂が充填されていないので、開ければ基盤が丸見え。
 配線図を頼りに、コードの色をたどってゆくと大体何が何の線か判って来た。
 メモリーも多分余裕のない感じ。
 入力の基準になっているのは、点火時期だけのようだ。
 80×100mm程度の基盤。このスペースなら今のボードなら余裕で高性能化でき〜る。
 安定動作もするだろう。
 ケーブルの造りも、ビニールテープとビニールチューブで太めのコードをシールドもせずに束ねているだけ。
 これで間に合うのか……。意外と楽かも。
 とりあえず、同じ内容のデータを処理させてみることからスタートだなぁ。
 それに3パターンぐらいの、燃費重視・高速度重視・オートの各モードのセレクターの対応端子を追加するくらいかなぁ?
 稼動中にその変更を受け付けるようにもしなくては……これは回路の選択時にやっておくことかな?
 燃焼効率や、カムシャフトのデータも揃えなきゃ。
 RS232Cの防滴カプラーがあると、電装系の配線は将来的には楽になるかなぁ?
 金銭的な余裕があれば、三角ジャイロを使って対地角度やCoセンサー、ノックセンサー、スロットルポジションセンサーを増設するのも手だなぁ。
 前後のサスのストロークセンサーなんか便利かも。
 機能判定用のダイアグノーシスを装備していた方が、将来的には良いか?
 なんだか本格的になってしまうなぁ……。

 さてさてどうなることやら?

マミアナ+FZR

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Copyright © Taro Mamiana, COMBINED ARMS 1999-2005.
初出 KGB-NET 1999.