Vol.10 乗らない訳に行かなかったのだ 1999-04-29

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「直るまで動きません!!」と言っていたのだが、向こう側に行った友人の墓参と撮影の打ち合わせが入っていたので、パーツはまだなるも出動。

 #1キャブが相変わらず、ガソリンをポートに向けて垂れ流しているらしく、フューエルポンプは休まず動き続ける。
 途中環七上でリザーブになった……燃費は15.7km/L。こりゃどうにもヤバいなぁ。シリンダーの内壁の油面をガソリンで洗いながら走っている訳だ。
 なんでもない#2〜#4には申し分けないが、フューエルコックを少し絞め気味にして強制的にフローを絞りながら走る。
 燃料が少ししか来ないため、ポンプは最大能力を発揮してうなり続ける。
 それでもまだ濃いので、#1のエアクリーナーとキャブのつなぎのスタッブジョイントに隙間を作り、余剰ガソリンをキャブのボディーに沿わせて吐き出させる。
 アンダーカウルがあるお影で、キャブ周りの空気の流れがかなり速くなっているので、走っていれば過熱して発火する事はなさそうだ。
 上限回転数は7000rpmまでとする。

FZR:「マミアナ様、わたくしはいつまでこの状態で走らな
    きゃならないんでしょうか? 思いの他、辛いです」
狸穴:「明日には多分パーツが届く、それを取りに行くまで。
    悪いがもうしばらくだけ我慢してくれ」
FZR:「お仕事も関ってますしね。わたくしも頑張ります」
狸穴:「必ず一定のインターバルをもって無理せず走るよう
    にするよ」

 こうして結局70キロ走ってしまった。
 早く来ないかなぁ……パーツ。

 久々に自分のマシンを調整している。
 それまではお客様のマシンを完璧に調整&カスタマイズするだけだった生活だったが、久々に自分のマシンの調整&カスタマイズがやって来た。
 かつて、入手してから10日で盗難されてしまったV−MAX改以来かな?
 やっている事は、変わらない。かえって手を抜いている。
 マシンは、1気筒あたり最低でも100cc、できれば250ccは欲しい排気量が、ここへ来て62.5cc。カブでも72ccあったのに、全く嗜好が違う。
 FZR250とうまくやってゆく事は不可能、と思っていたのだが、これが結構頑張ってくれている。
 このFZRに乗って約1200キロ走って結構慣れて来たので、悪いところも良いところも解って来た。
 排気量は小さいが、加速と高速道路以外ではこれで間に合う。
 全力を出し切れば、下りの小さなコーナが続くところでは、車重が軽いので意外と大きなマシンと対等に走る事は可能だ。
 ただし初期限界がかなり低いので、最終限界までのキレた走り方を強いられるが、それが日常になるように慣れるしかない。

 前述のギア比の問題だが、思っていたよりは高く出来ない事も判って来た。
 後ろで3T削る(歯を3個少なくする)と6速で最高速が出ないかもしれない。
 ノーマルのエンジンブレーキの効きも捨て難い。250/4と言うこともあり、エンジンブレーキが一定して掛かるので、リアブレーキを補助的なものとして使い細かくコントロールできるのである。
 リアの制動を細かく制御できる環境だと、コーナーに入る際のアプローチラインの選択に自由度が出る。
 マシンを倒し始めても、まだブレーキコントロールを続けられるのだ。
 路面が荒れていたりしても結構アドバンテイジを稼げる。

FZR:「マスター、#1の点火がトラブリ始めました」
狸穴:「ありゃ、大変だ。少し休むか」

 #1が抵抗になるぶん、#2〜#4で頑張るので、水温計がかなり上がっている、エンジンを止めて予熱でしばらく置けば、初期のうちはプラグのかぶりは復活する。
  が、それも3回が限度かな?

狸穴:「新しいプラグ、もう買って用意してあるんだがうち
    にあるからここじゃ換えられねぇ……」
FZR:「アイドリングでも3秒に一度は少しあおって下さい」
狸穴:「だな。うちまで持ちそうか?」
FZR:「はい」

 困ったマスターに応えて、頑張っているのである。
 何か見返ってやらんと……。
 フロートバルブを直してもまだ具合が悪いようだったら、キャブASSY.も一考。
 途中、調子が悪くなる前に3回ほど休みをいれて帰還。

狸穴:「お疲れ様でした」
FZR:「なんとか持ちましたねぇ」
狸穴:「もう今日みたいな状況はないから、プラグを含めて
    パーツは明日換えるよ」
FZR:「はい」
狸穴:「一応、明日各気筒の圧縮を測って診ないとなぁ」
FZR:「パーツが来るまで待ってます」

 このマシンが来た時に思い切って290ccまで排気量上げ、そのうえ車体やカウルの形状を含めて、限界までハイチューンしてしまおうか? とも考えたが、公道を行く以上そこまでやらない方が良いカモ。
 まあ、EXUPを残す選択をした時に、もうすでに限界チューンはあきらめていたのだ。
 残念な事にOHLINSのサスが組めるかどうかを調べてみたら、どうやら出来そうだという事が判った。
 が、結構高いものになる。今は考えないでおこう!
 エンジンを造り直しただけで、もうお金がなくなってしまったのだ。

 てなわけで先程、各気筒の圧縮を測り直したら問題無く無事に済みました。
 あとはキャブを直してからしばらく走り、もう一度同じ点検をせねば。
 シーリングが気になっていたので、ラジエターキャップを開けて点検。
 LLC(冷却液)にもオイルは流れていないようで一安心。
 兎の心臓のように細かいエンジンなのだが、内部の部品の当たり方とかバランスさえ気を配って組めば、意外と頑丈に出来ているのだ。
 ただし、絶えず高回転ばかり使っていると消耗もはげしく、一度減り始めたりしてバランスが狂って来ると、一気に他の部分まで波及する。
 吸気排気の設定次第で、かなり出力特性も出力自体も上げられるのも事実。
 でも高回転高出力型エンジンを基本設計に持っている以上、ノーマル設定程度のセッティングでは、破壊までの安全マージンが意外に多いのである。
 以前実験で、オイルも水も抜いたエンジンが全開で何分間持つかやってみたことがあったが、5分は持ちました。その後もまたオイルと水を入れて何の問題も無く走れました。
 しかし基本的にはオイルは重要なわけで、高回転域でタレるオイルだけは絶対使えない。
 オイルに対する依存率がものすごく高いのだ。

 結局今日はフロートバルブカップは届かなかった。連休明けかなぁ?
 #2〜#4のキャブも、再度やり直しておくか。

 さてさて、これから皆様のオートバイの季節です。
 毎日乗っている方も、寒い間は乗らなかった方もそろそろ気温も上がって来ますので、ここらへんで一度整備とセッティングしといた方が良いですよ〜。
 もう少し暑くなって来ると、蚊が出て来るからねェ……ありゃたまらん!
 小指の先とか耳の先なんてヤられたら!
 蚊取り線香焚けばガソリンが気になるし……。
 蚊ってなにかの役に足っているのかねェ……誰か知ってる?

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Copyright © Taro Mamiana, COMBINED ARMS 1999-2005.
初出 KGB-NET 1999.