Vol.6 履物も変ったし 1999-04-12

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 FZR250の場合、使用エンジン回転数が0〜18000rpmとやたらと広い。
 これがTWIN/500ccなエンジンだった場合0〜10000rpm程度。
 発生出力が同じだとしたら……(んな訳無いが)
 共にEXUPを搭載するマシンとした場合、EXUPの反応速度と作動範囲は全く違うものになる。
 同じく、乗り手が違えばEXUPの妄想範囲も違って来る。
 デフォルトの設定では多分、初心者にも乗りやすい『エンストしない設定』になっていると考えていた方が良さそうだ。
 手持ちのショップ向けの販促資料にも、低回転時に排圧が掛かり混合気の充填効率が嫌でも上がるような設定になっている。
 それだけ掃気効率がよろしくない。
 そのため、下の回転域では極端に薄い混合気を使っているのかな?

 エンジン自体をデフォルトに近い状態で使用して、吸気とEXUPだけで違う設定を実現しようとすると、これは範囲が限定されて無理な状況である。
 せめてカムプロフィールを変更出来れば……だけど今回はそれはしない。
 現状ではのんびり走っていれば、そこそこEXUPの恩恵に預かれるのだ。
 が、そうも行かないのでどう設定すれば良いのか……悩む。
 走り方とEXUPが合致していないので、妄想回路と呼ばれてしまっているようだ。

 馴らしもほぼ終ってきているので、現在は12000rpmまで使って走っている。
 スタート時、40〜100キロ、80〜ヌウワキロ、ヌウワ〜ヌオワキロと4つに分けて考えてみるとアクセルの開け方や使用状況が見えてくる。
 ここの回転数で減速、パーシャル、加速と更に分けると全部で12パターンの状況が現われてくる。ここの状況が移行する瞬間のパターンも加えると……約8パターン増やして、全部で20パターン。
 実際に走りながら時間を基準に、どのパターンが一番使われているかを調べてみれば優先順位が決まってくるのか? そんな簡単には行かないかもしれない。
 あっしは一体何をやってるのかなぁ?
 乗ってみておぼろげに判ったのはデフォルトでは、そのパターンがみっつくらいしかないようだ。
 反応速度が遅いから、巧く繋がっているように感じるだけ。
 20パターンを瞬時最適に使い分けるためには、スロットル作動状況、ギアポジション、発生トルク変動、Gセンサ、回転パルス(変動)、車速等を常に監視していないといけない? 交感神経と副交感神経の塊だ。
 まるで現行のスカイラインみたいな状況になってしまう……。
 こんな大掛かりな部品は積む場所がない。発電量も間に合わない。
 何とか頑張ったとしても金額はド偉いものになる。
 いっそのこと、妄想の元を全部取り払ってしまえば良いのだか、そうすると、このマシンの悪い所でもあり良い所でもある『妙な生き物』のような感覚がなくなってしまう。
 普通のオートバイになってしまい、面白くないのだ。

 乗り手の体調も大きく作用する。
 人間の反応速度がやたらと速いときと、並のときと、調子の悪いとき……
 それらに応じて、性格も変えなくては……。
 ……エライ事になっております。

狸穴:「……どうすりゃ良いのかねぇ?」
FZR:「マスター、何をお悩みですか? 私がいけないんで
    しょうか?」
狸穴:「いや、そうじゃねぇんだよ。やり方が判らないだけだ」FZR:「私の中には、あらかじめある程度の状況に対応した
    プログラムが入ってます」
狸穴:「それに馴れればいちばん良いんだろうけれど、俺の
    方も幾つかの走り方が出来上がっちまってる。それ
    がちょっとだけ合わねぇんだ」
FZR:「困りましたねぇ。私に学習機能があれば、それにし
    てもインターフェイスがありません」
狸穴:「しばらく学習機能とたくさんセンサー付けるか? 
    でも積み切れないよな」
FZR:「進化するのって大変ですね」
狸穴:「まぁな。でもやてみるか? 出来る範囲で。時間掛
    かるけど」
FZR:「はい」

 エンジン自体の排気量や発生最大出力が決まっている以上、限界というものはあるわけで、その範囲内で様々な要素を合せてゆくだけしか今回は許されない。
 車体やカム等、元々の性格もある。
 本来の性格は、低回転域ではおとなし過ぎ、中域からはアクセルの開閉(速度&量)と回転数の位置により敏感だったり、鈍かったり掴みづらく、高域では排気量の割にはかなり頑張る。
 特に高域でのノビは物凄いようだ。キャブを加工するとさらにいける。
 この性格を活かしきれれば何とかやっていけるか?
 それ以前に、ギア比に問題がある。
 EXUPが巧く働くようになれば、1速の位置は良いのだが、それ以降の2〜6速のギア比が、公道では低く、近すぎるのだ。
 普通に走る分には1−3〜6で間に合ってしまいそうだ。同じFZRでも400ccのFZRのギア比に近いものの方が、走り易い。
 日本仕様のオートバイのギア比は、なんでこんなに低く設定されているのだろうか? ミッション自体を新しく造り直すのは高く付く。
 クラッチの容量には問題がないので、最終減速比をもう少し上げてやることにするか……。
 実際には常用しない高回転域で、最大出力値を上げるために高回転化し、そのためトルク変動が安定しないのをカバーするために、EXUPやクロスしたミッションを使ったのか?……解せない。
 このマシンについては、実際のところL−2−DのセミATミッションを組んだ方が効率良かったかも知れない。
 変速回数がやたらと多いので、都内では……ちょっと面倒になるのだ。
 その上、シフトタッチも良くはない。

FZR:「マスター、新しいタイヤはとても良いです」
狸穴:「ん、ぴったり合ってるみたいだな、良かった」
FZR:「私の性格にも合っているようです!」
狸穴:「後は、サスの設定をタイヤと骨格に合せてゆくだけ
    か」
FZR:「私はどんなマシンになるのでしょうか?」
狸穴:「よく判んねぇけど、俺の方もなるべくあわせるよ」

 さてさて、一体どうなることやら?
 補機類を増やせばサーボモーターも増えそうだし。
 妄想回路(EXUP)も乙女回路(点火コンピュータ)もこれからかなり変わって行きそうだし……うまくやって行けると良いなぁ〜。

マミアナとFZR250

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Copyright © Taro Mamiana, COMBINED ARMS 1999-2005.
初出 KGB-NET 1999.